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社員の病気療養(病欠)との関わり方とタイ労働法~25歳でタイで起業した女社長の経験

「女社長の海外起業と経営術を語るブログ」に

ご訪問頂きありがとうございます。

このブログにたどり着いたというあなたは

外国や海外での起業、 もしくは海外に住んでみたい…など

どんな理由があるかはわかりませんが、

海外に興味があり、かつ、いつかは起業してみたいという方なのではないかと思います。

 

今日は社員の病気療養(病欠)との関わり方とタイ労働法について書こうと思います。

目次

持病や障害がある社員との関わり方。

社員の病気を会社の体制構築の好機と捉える。

以前の話になりますが、当時、入社11年になる社員Aさんから

病気休暇の申請がありました。

1か月間に4回の病欠申請…。

 

私(前田千文)

もともと、ちょくちょく病気はするけど、

ほぼ週1での病欠はちょっと多いんじゃないかな・・・

と正直、思いました。

 

このAさんは生まれた時からの脳性まひで片手と片足が不自由です。

タイの某有名国立大学をトップで卒業した才媛なのですが

身体が不自由だという理由で、当社に入社するまで会社勤務をした事がありませんでした。

 

当社に入社してからは、

きちんと仕事を全うする責任感が強い社員でその仕事振りには感謝していました。

 

急に病欠が多くなった理由を聞いたところ…

 

スタッフ

今までX病院に勤務が終了してから通院していたのですが

医師から「あなたの病気は特殊なので当院では対応が難しいので他の病院に行って欲しい」

と転院を勧められて、先月からシリラート病院に通院することになりました。

足を中心に血行障害を起こしています。

と。

シリラート病院はタイで最高の病院と言われ

国王陛下をも治療される病院です。

 

ただ問題は…通院治療は月~金の日中のみということで

仕事を休んで行くしかないということでした…

 

タイは労働者保護法で30日間の病欠は有給と認められています。

 

しかし、ここで私が思ったのは・・・

私(前田千文)

会社として出社日数が少なくなるのは

結果論として他の社員の負荷が増えるので

一時期だったら我慢できるものの一生続くことを考えると

会社として、そこまで考慮する必要はあるのか?

 

私(前田千文)

大企業だったらいざ知らず、小さな会社で人数も少ない中

持病のある社員を長期間に渡り雇用するのは経営リスクになるのでは?

 

私(前田千文)

かと言って、退職すると社会保険も失効するので

医療費は全額負担になるし、それは、Aさんの負担が大きすぎる・・・

また、Aさんの能力は高い。

 

私(前田千文)

いや、待てよ・・・オーナー企業だから

決断は私がすれば良いのだから

“病気でも働ける会社体制を作る”良いチャンスではないか?

 

私の考えとしては『どんな状況でも働ける会社を創る』を決断したのですが

こういったことも含めて経営判断だと思います。

タイでは傷病休暇(病欠)が30日まで有給である。

私は2015年からタイの労働法をタイ法人責任者(現地法人社長や管理者)に教えており

その際に、この病気療養の話を必ずします。

(セミナーの詳細は下記をご高覧ください)

TJ Prannarai
タイ労働法セミナーの詳細 昨年からの新型コロナウイルスの影響による経済状況の悪化、また近年の製造過程の自動化などによりタイでは不当解雇による労働裁判件数が年々増加傾向にあります。 そこで...

 

まずタイ労働者保護法で病欠は30日まで有給です。

これは、有給を取得する「権利」があるだけで、全てを使用する「義務」はありません。

この制度を悪用し、きっちり30日病欠を取得するという社員も出てきますが

もともとの権利ですので、罰することができません。

 

ただし、病欠の取得に際し、就業規則に記載し条件を課すことは認められています。

例えば、総合病院の診断書を提出する…などです。

 

またベースアップやボーナスの査定に病欠の取得日数を考慮する会社も多く

これは違法ではありません。(ベアやボーナスは経営者裁量)

 

そして、病欠の取得がなかった場合(=権利を行使しなかった)、

皆勤手当てなどを追加で与えている会社も多く見受けられます。

 

この病気休暇(有給)30日を使用した場合は

会社は従業員に労働賃金を払う必要はないため、実質は労働賃金から差し引くことになります。

(日系企業は月給の社員が多いため)

 

Run For Dek

社員と「子供たちのために走ろう」というチャリティー・マラソンに出た時の様子です。

 

 

社員が病気で長期間休む場合の扱い

判断は最終的には経営者に委ねられている

タイでも日本と同様に、ガンなどで長期に療養することになり

勤務を継続するか…離職するか…の判断をすることになります。

実際にタイの労働局に社員の長期療養についての相談が多く寄せられているそうです。

 

結論から言うと、病気休暇(有給)30日を使用した場合は、下記のような扱いになります。

 

労働賃金を支払う必要がないため給料から日給分を差し引く。

ただし、月給社員は休日も労働賃金が発生しているため、その分は支払う

(例)2021年6月の休業日が7日=7日分の賃金は発生。

長期間になる場合は、会社と従業員が話し合い、期限を設ける。

「長期間」の定義があいまいなため、1年など期限を設けることが望ましいそうです。

病欠の権利は1年ごと得るため、年度が替わったら新たに30日の権利(有給)を得る。

最終的な判断は経営者次第

期限を設けず、そのまま雇用し続けることも可能です。

あくまでも経営者の判断です。

 

タンブン

会社では毎年タンブンを行っています。タンブンとは、寺に寄進し徳を積む行為です。タイ人は、このタンブンが大好きで、よくお寺に行きます。

 

 

社会保険から会社に対して補助はあるか?

タイに所在する企業は、社会保険に強制加入する必要があり

労使折半で社会保険の積み立てを行います。

社員の病気療養による長期休暇に対して会社に対しての補助はありません。

 

社会保険から従業員に対しての補助 はあるか?

病欠が30日を超えた場合、1回の病気につき90日以内、

年間180日以内まで労働賃金の50%を社会保険が補助する制度があります。

但し上限金額(15,000 THBまで)があり、手続きが必要です。

 

講義の様子

労働法の講義の様子です。オンラインと面談でのハイブリッド講義です。現在は、9:00~16:30の終日の講義で、タイ労働法の基礎から応用まで体系的に1日で学べるよう構成しています。

 

まとめ 

社員の長期の病気療養に関し、雇用を継続するか否かの最終判断は経営者次第である。

タイでは病欠が30日まで有給である。

病欠が30日を超えた場合は、労働賃金を払う必要はない。ただし、月給制の社員に対しては休日分は支払う必要がある。

従業員に対しては社会保険からの補助がある。

 

今回は、社員の病気療養に対する私の経営者としての考え方と

タイの法律(労働法)についての話をしました。

実際に実務をしていますと、法律、裁判の判例、実務で異なるケースは多く発生します。

立場が違えば、物事の判断、捉え方、対処の仕方が異なるのも事実です。

 

私はタイでの会社経営の経験しかありませんが

何かのご参考になれば幸いです。

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