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日本大学の通信制大学院で国際情報を専攻する社会人大学生の修士論文執筆の流れ

みなさん、こんにちは。

2001年、25歳の時にタイで起業した前田千文です。

「女社長の海外起業と経営と日常生活を語るブログ」にご訪問頂きありがとうございます。

今日は社会人大学生として日大の大学院(通信制・国際情報専攻)に在籍した

2年間の集大成ともいえる修士論文の執筆の流れを解説したいと思います。

目次

修士論文執筆の流れ

大学院へ進学するまでは、修士論文を書くだけだと思っていました。

科目を履修して勉学を進めるとともに

同時に修士論文も書き始めないといけません。

(詳しくは以下の記事をご参照ください)

修士論文を書くために大まかに次のようなステップで進んでいきます。

ステップ1:先行研究のレビュー

ステップ2:研究テーマの絞り込み

ステップ3:仮説の構築←最も重要だと指導教官から言われます。

ステップ4:仮説の検証

ステップ5:検証結果の考察

ステップ6:参考資料の作成

それではそれぞれのステップの詳細を解説していきます。

国際情報専攻の修士論文執筆の詳細を解説

ステップ1:先行研究のレビュー

私の修士論文のテーマは

「タイの日系企業における労務問題の課題とその対応」でしたが、

自分の研究テーマと似ている過去の論文(これを先行研究と言います)を調べて、

どこまで研究されているのか(解っているのか)を把握します。

先行研究を調べると、論文や書籍などの資料の数が膨大になるため

そのために。リサーチクエスチョン表というフォーマットに落とし込む作業を行います。

下記は実際に私がまとめたリサーチクエスチョン表の1部です。

リサーチクエスチョン
このように、先行研究の内容をキーワードでまとめます。

先行研究からの現時点で

「判っていること」、「判っていないこと」の境界線を見極めます。

指導教官から、1%でも新しいことが解れば、

それは「新規性という意味で大きな発見だ」というアドバイスを頂きました。

この「新規性」を論文にしていきます。

ですので、どこまで研究されているかを知るために先行研究のレビューは大切な作業となります。

この先行研究のレビューをもとに、具体的に研究テーマを絞っていきます。

ステップ2:研究テーマの絞り込み

ステップ1で先行研究のレビューを行ったうえで、

自分が何を研究するのかを絞り込んでいきます。

もともとのテーマが

「タイの日系企業における労務問題の課題とその対応」だったのですが

範囲が広すぎるという指摘を受けて

より絞り込んだテーマにするよう指導を受けました。

論文のタイトルはギリギリでもよいということなので

タイトルはさておき、次のステップである仮説の構築を先に始めることにしました。

ステップ3:仮説の構築

指導教官から「この仮説の構築が最も重要で、論文の良し悪しを決めることになる」

入学当初から言われていました。

実際に私は、仮説の構築に7か月も時間を要してしまいました。

M1とM2の科目の履修は順調で、かなり時間の余裕を見ていましたが

仮説の構築に時間がかかってしまったため

修士論文の提出がかなりギリギリになりました。

仮説の構築は大きく分けて「基本仮説」「作業仮説」にわかれます。

仮説は論文の骨組みになる部分で、

この仮説を立証していくことが研究(修士論文)となります。

イメージが付きにくいと思うので、私の研究テーマをもとに解説します。

私の研究テーマは

タイの日系企業における労務問題の課題とその対応」でしたが

先行研究を踏まえたうえで

最終的には「タイの日系企業における労務施策とその影響」となりました。

先行研究から、

「国の文化の違いで会社内で摩擦が起きている」ということがわかっており

「どうやったら労務問題が防げるか?/なくなるか?」をもとに次のように考えました。

なぜ、タイにある日系企業は労務問題が多いのか?

タイ人に受け入れられる労務施策があるのではないか?

先行研究から「国の文化の違い」で摩擦が発生していることがわかっている。

では「タイ国の文化」に合った経営を行えば摩擦が発生しないのではないか?
(基本仮説1)

日系企業がタイ国の文化に合わせた経営は難しい。

では、「組織文化」を定着させれば摩擦が発生しないのではないか?
(基本仮説2)

会社ごとに経営管理手法は異なり、
文化として組織のやり方(組織文化)を定着させるために、
どのくらいの頻度で教育を行っているのか?
(基本仮説3)

このように基本仮説は構築していきました。

私の場合は、基本仮説は3つでしたが

この3つの基本仮説を立てるまで7か月かかり、

リサーチクエスチョン表とにらめっこ状態が続きました。

またこの7か月間の間に、仮説の構築を13回もやり直ししています。

(時間に余裕があったため、仮説をじっくり検証できた…と言えます。)

作業仮説は、先に立てた基本仮説1~3を証明するための仮説になります。

私の場合は、タイにある日系企業へのアンケート調査を行う予定をしていたため

作業仮説はアンケート調査の質問内容になりました。

アンケートは日本人経営者とタイ人従業員の双方に行いました。

ステップ4:仮説の検証

立てた仮説をもとに、企業へアンケート調査を行い

アンケート結果をまとめ検証作業に入ります。

アンケートはインターネット上で行ったのですが

調査のお願いと説明、データの取りまとめには1か月半ほどかかりました。

このデータに対しt検定を行い分析しました。

(t検定:ある2つを検討した場合、その差は偶然なのか必然なのかを数値で表す手法)

M1で統計学を履修していたため、分析ソフトの使い方や

数字の意味を読むことができましたが、

もし履修していなかったら分析することが難しかったと思います。

ステップ5:検証結果の考察

ステップ4で出た数値の結果をもとに、そこから何がわかるのかを解説していきます。

数値により偶然なのか、必然なのかがわかるのですが

数値の結果を文章化するという作業になります。

ここまでが修士論文の本文にあたる部分になります。

私の場合は、57ページでした。

ステップ6:参考資料の作成

本文を書き上げて、指導教官からOKをもらい、全てが終わったと思っていたら

「参考資料を作成してくださいね」と言われ、焦りました。

この参考資料ですが、

修士論文を執筆するために使った数値データアンケート調査のデータとなります。

なんと、この参考資料だけで93ページになり、作成に1週間も費やしました。

数値データはエクセルで作成していたため、

比較的、資料作りはしやすかったのですが

初めからデータを整理しつつやれば、もっと早く完成したと思います。

私の修士論文の目次です。

なお修士論文ですが、

第1章、第2章…のように「章ごと」に執筆するのをお勧めします。

全部書いてからですと、修正するのが大変です。

まとめ

修士論文の執筆のポイントは仮説の構築。じっくり時間をかけて構築しましょう。

過去の論文はじっくり調べましょう。(先行研究)

執筆は「章ごと」行い、指導教官から都度指導を受けましょう。

ご参考になれば幸いです。

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